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2025.01.09

BCD療法

監修群馬大学医学部附属病院 薬剤部 勝見 重昭 先生
適応 多発性骨髄腫
投与の詳細 1コース21日間

本レジメンについて

  • ●未治療で移植適応のある多発性骨髄腫、再発・難治性の多発性骨髄腫に対して選択肢となる寛解導入療法である。
  • ●70歳以下で未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、寛解導入療法としてBCD療法またはBAD(ボルテゾミブ+ドキソルビシン+デキサメタゾン)療法に無作為化し、各3コース施行後に自家造血幹細胞移植併用大量化学療法を行い、レナリドミド単剤の地固め療法後、2年間またはCRまでのレナリドミド単剤維持療法にさらに無作為化したGMMG-MM5試験1)において、主要評価項目である寛解導入療法後のVGPR以上の割合はBCD療法群37.0%、BAD療法群34.3%であり、BCD療法のBAD療法に対する非劣性が報告されている(群間差2.8%、p=0.001、非劣性マージン-10.0%)。
1) Mai EK, et al.: Leukemia. 2015; 29(8): 1721-9.

副作用の特徴

  • ●中等度催吐性リスクの抗がん薬に対する制吐療法を実施する。
  • ●重篤な肺障害、心機能障害が発現することがあるので、自覚症状の確認と定期的な検査を行う。
  • ●ボルテゾミブによる末梢神経障害は、皮下投与にすることで頻度・重症度が軽減する。
  • ●低血圧がおこることがあるので、降圧薬投与中の患者では投与量の調整、水分補給、薬剤による支持療法を行う。
  • ●腫瘍崩壊症候群の予防のため、治療開始前にリスク評価と適切な予防措置を行う。
  • ●B型肝炎ウイルス再活性化の予防のため、治療開始前にB型肝炎ウイルス感染のスクリーニングおよび適切な予防措置を行う。
  • ●シクロホスファミドによる出血性膀胱炎を予防するために、こまめな水分摂取と排尿を指導する。
  • ●ステロイドによる高血糖が生じる可能性があるため、糖尿病・耐糖能異常を合併している場合は、速効型インスリンなどによる高血糖対策を検討する。また、ステロイドによる他の副作用にも注意する。
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】

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主な副作用について発現率、症状及び対策をご覧いただけます。

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