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2022.12.6

シスプラチン+ドセタキセル療法

監修大阪国際がんセンター 薬局 薬局長 髙木 麻里 先生
適応 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
投与の詳細 1コース21日間(6コース以内実施)

本レジメンについて

  • ●ドライバー遺伝子変異/転座陰性、PD-L1 TPS 50%未満、もしくは不明のPS 0-1、75歳未満に対する一次治療において推奨されているプラチナ製剤+第三世代以降の細胞傷害性抗癌薬併用療法の1つである。
  • ●ステージⅣの非小細胞肺癌を対象にシスプラチン+ドセタキセル療法とシスプラチン+ビンデシン療法を比較した無作為化比較試験1)において、生存期間中央値はシスプラチン+ドセタキセル療法群11.3ヵ月、シスプラチン+ビンデシン療法群 9.6ヵ月と有意差が報告されている(p=0.014, log-rank test)。
1) Kubota K, et al.: J Clin Oncol. 2004; 22(2): 254-61.

副作用の特徴

  • ●高度催吐性リスクに分類されるため、適切な制吐療法を実施する。
  • ●シスプラチン投与時は、大量輸液とともにHydrationによって腎保護を行う。
  • ●シスプラチンによる聴力障害は長期に残存することがあるため、注意を要する。
  • ●ドセタキセルの添加剤にはアルコールが含有されている製剤もあるので、アルコールに対するアレルギーや過敏性を確認する。
  • ●ドセタキセルによる浮腫および過敏症予防のために、ステロイドの前投与を検討する。
  • ●ドセタキセルの血管外漏出による周辺組織障害は起壊死性に分類されるため、投与中は慎重に観察する。血管外漏出が生じた場合は、速やかに投与を中止し、可能な限り薬剤を吸引して留置針を抜去する。確立された対処法はないが、ステロイドの局所注射・塗布などを行い、皮膚科や形成外科へコンサルトする。また、シスプラチンは炎症性に分類される。 
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】