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2022.11.22

シスプラチン+ペメトレキセド+アテゾリズマブ療法

監修静岡県立静岡がんセンター 薬剤部 副薬剤長 石川 寛 先生
適応 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(非扁平上皮癌)
投与の詳細 1コース21日間(4または6コース実施)
※4または6コース終了後、増悪を認めなければペメトレキセド+アテゾリズマブ併用維持療法への移行を考慮する。

本レジメンについて

  • ●非扁平上皮非小細胞肺癌にのみ有効性が認められている。
  • ●EGFR遺伝子変異陰性・ALK融合遺伝子陰性の切除不能な進行・再発の非扁平上皮非小細胞肺癌患者を対象に、プラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)+ペメトレキセド併用療法とプラチナ製剤+ペメトレキセド+アテゾリズマブ併用療法を比較したIMpower132試験1)において、主要評価項目である無増悪生存期間中央値は、プラチナ製剤+ペメトレキセド併用療法群5.2ヵ月に対してアテゾリズマブ併用療法群は7.6ヵ月と有意な延長(ハザード比0.60、95%信頼区間0.49–0.72、p<0.0001、層別Cox回帰モデル、層別log-rank検定)が認められたが、全生存期間中央値はそれぞれ13.6ヵ月、17.5ヵ月と有意差(層別log-rank検定)は認められなかったことが報告されている。
1) Nishio M, et al.: J Thorac Oncol. 2021; 16(4): 653-664.

副作用の特徴

  • ●高度催吐性リスクに分類されるため、適切な制吐療法を実施する。
  • ●シスプラチン投与時は、大量輸液とともにHydrationによって腎保護を行う。
  • ●シスプラチンによる聴力障害は長期に残存することがあるため、注意を要する。
  • ●シスプラチンによる末梢神経障害は累積投与量が増えると発現頻度が高くなるため、注意を要する。
  • ●ペメトレキセドによる副作用を軽減するために、下記のように葉酸及びビタミンB12を投与する。
    ・ 葉酸:ペメトレキセド初回投与の7日以上前から1日1回0.5mgを連日経口投与する。ペメトレキセド投与中止の際は、ペメトレキセド最終投与日から22日目まで可能な限り経口投与する。
    ・ ビタミンB12:ペメトレキセド初回投与の少なくとも7日前に1回1mgを筋肉内投与する。その後、ペメトレキセド投与期間中及び投与中止後22日目まで9週(3コース)毎に筋肉内投与する。
  • ●免疫関連有害事象(irAE)は、いつでも発現しうるので注意する。
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】