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2025.06.25

MPB療法

監修宮崎県立延岡病院 薬剤部 日髙 里奈 先生
適応 多発性骨髄腫
投与の詳細 1コース21日間(18コース)

【1~8コース目】

【9~18コース目】

本レジメンについて

  • ●移植非適応の多発性骨髄腫に対して選択肢となる治療法である。
  • ●移植非適応の未治療多発性骨髄腫患者を対象に、MPB療法とMP(メルファラン+プレドニゾン療法)を比較したVISTA試験1)において、主要評価項目である無増悪期間(TTP)中央値はMPB療法群24.0カ月、MP療法群16.6カ月であり、有意差が報告されている(ハザード比 0.48、p<0.001、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)。
1) San-Miguel JF, et al.: N Engl J Med. 2008; 359(9): 906-17.

副作用の特徴

  • ●重篤な肺障害、心機能障害が発現することがあるので、自覚症状の確認と定期的な検査を行う。
  • ●ボルテゾミブによる末梢神経障害は、皮下投与にすることで頻度・重症度が軽減する。
  • ●低血圧がおこることがあるので、降圧薬投与中の患者では投与量の調整、水分補給、薬剤による支持療法を行う。
  • ●腫瘍崩壊症候群の予防のため、治療開始前にリスク評価と適切な予防措置を行う。
  • ●B型肝炎ウイルス再活性化の予防のため、治療開始前にB型肝炎ウイルス感染のスクリーニングおよび適切な予防措置を行う。
  • ●ステロイドによる高血糖が生じる可能性があるため、糖尿病・耐糖能異常を合併している場合は、速効型インスリン等による高血糖対策を検討する。また、ステロイドによる他の副作用にも注意する。
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】

Expert編では、医師、薬剤師、看護師の立場から、安全な投与を行うためのポイント、
主な副作用について発現率、症状及び対策をご覧いただけます。

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