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2022.09.26

SOX療法

監修松山赤十字病院 薬剤部 村上 通康 先生
適応 胃癌
投与の詳細

本レジメンについて

  • ●HER2陰性の切除不能進行・再発胃癌の一次治療において推奨されている治療法である。
  • ●切除不能進行再発胃癌を対象に、S-1+シスプラチン(SP)療法に対するSOX療法の非劣性を検証したG-SOX試験1)では、PFS中央値が5.5カ月(SP群5.4カ月)、OS中央値が14.1カ月(同13.1カ月)と報告されている。PFSはハザード比1.004、95%信頼区間0.840-1.199(Cox比例ハザードモデル)であり、95%信頼区間が非劣性マージンの上限(1.3)を下回り、非劣性が示されている。一方、OSはハザード比0.969、95%信頼区間0.812-1.157(Cox比例ハザードモデル)で、95%信頼区間が非劣性マージンの上限(1.15)を上回り、非劣性は示されなかった。
    尚、Grade3以上の好中球減少(SOX群19.5% vs SP群41.8%)、白血球減少(4.1% vs 19.4%)、貧血(15.1% vs 32.5%)、発熱性好中球減少(0.9% vs 6.9%)、低ナトリウム血症(4.4% vs 13.4%)の頻度がSOX群で有意に低かったが、感覚性末梢神経障害はSOX群で有意に高かった(All Grade 85.5% vs 23.6%、Grade3以上 4.7% vs 0.0%)。
  • ●オキサリプラチンの標準投与量は、100mg/m2または130mg/m2とされる。承認された通常用量は130mg/m2だが、国内で実施されたG-SOX試験においては100mg/m2が用いられており、臨床情報が豊富である。どちらが適切かについては結論づけられていない。
1) Yamada Y, et al.: Ann Oncol. 2015; 26(1): 141-8.

副作用の特徴

  • ●S-1は経口薬であるため、患者・家族による服薬管理と副作用管理が重要である。
  • ●S-1による重篤な下痢や口内炎の発現時には服用を中止するように指導しておく。
  • ●オキサリプラチンによる末梢神経障害を重篤化させないように、適切なGrade評価と対応が必要である。
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】

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