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2022.09.26

TC療法

監修順天堂大学医学部附属練馬病院 薬剤科 金 素安 先生
適応 乳がん術後化学療法
投与の詳細 1コース21日間(4コース実施)

本レジメンについて

  • ●乳がんの術後補助療法において推奨されている治療法である。術前化学療法としてのエビデンスは少ない。
  • ●StageⅠ/Ⅱおよび手術可能なStageⅢの浸潤性乳がんの術後補助療法として実施されたUS Oncology Trial 9735試験1)では、7年DFS 81%(AC療法群75%、ハザード比 0.74、95%信頼区間 0.56-0.98、p=0.033、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)、7年OS 87%(AC療法群82%、ハザード比 0.69、95%信頼区間 0.50-0.97、p=0.032、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)と報告されている2)
  • ●術後AC療法を検討する症例にTC療法を行うことは勧められるが、術後アンスラサイクリンとタキサン併用療法に対してTC療法は非劣性が示されず、再発低リスクや心疾患の既往がある場合の選択肢となる3)
1) Jones SE, et al.: J Clin Oncol. 2006; 24(34): 5381-7.
2) Jones SE, et al.: J Clin Oncol. 2009; 27(8): 1177-83.
3) 乳癌診療ガイドライン①治療編 2018年版, 金原出版

副作用の特徴

  • ●ドセタキセルは、エタノールやポリソルベート80を含有する製剤もあるため、過敏症の有無を確認する。
  • ●毛細血管透過性亢進を伴う浮腫の発現率が高く、デキサメタゾンによる前投薬により程度が軽減されることが報告されている。
  • ●発熱性好中球減少症の発現率が高いことから、G-CSF製剤またはペグフィルグラスチム投与を検討し、発熱時の適切な対応と感染予防の指導を行う。
  • ●シクロホスファミドによる出血性膀胱炎を予防するために、こまめな水分摂取と排尿を指導する。
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】