2020.5.27
DC-000459
DC-000459
患者に誤解・不安を与えない話し方
例3. 「日常生活の注意事項」の説明
患者背景
- 40代女性
- 初発大腸がん
- CapeOX(XELOX)療法施行中(1コース目) 治癒目的
- 家族と同居
- 非就労者(専業主婦)
冷たいものに触れるとしびれ(末梢神経障害)が出る可能性がありますので、避けてください。
なるほど、なるべく温める方がいいのね。
でも、手がひりひりするようなとき(手足症候群)に熱などの刺激が加わるのも良くありません。
え?では、熱すぎてもだめということ?
バランスが大切ですから、過度になりすぎないようにしてください。
冷やしすぎず、温めすぎずということなのだろうけど、結局、具体的にはどうすればいいのかしら…。
問題点
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説明が曖昧で患者が混乱している。
- いずれも間違いではないが、一見相反する指導のように聞こえる。
- また、具体的に日常でどのような注意をすればいいのわからない。
こんなピットフォールに注意
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以前に副作用として末梢神経障害を経験している患者さん
以前も心掛けていた生活の注意があるかもしれません。具体的に実施していたことや困ったことがあったかどうかも確認し、改めて患者さんに合わせた注意事項をお伝えするようにしましょう。
一覧
解説-
レジメンのスケジュールと副作用の発現時期の目安を踏まえ、どの時期に何に注意が必要なのかを説明できるようにしましょう。
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日常生活の注意事項が曖昧だと患者さんが判断に困りますから、なるべく具体的にお伝えすることが大切です。
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一度に多くの情報を伝えると混乱を生じやすいので、まずはオキサリプラチンによる末梢神経障害について説明し、日を改めてカペシタビンによる手足症候群について説明する、説明文書などを使って患者さんが後で確認できるようにする、などの工夫をしてもいいでしょう。
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運動習慣は神経障害の予防・治療に有効です。座り癖のある生活などは避けるようアドバイスしましょう。